HEDONISTIC PIXEL ART(跡地)

ドット絵・ゲーム開発やってる背教の士です

ヤミー・ドッターと光の点打師


地球上を我が物顔で闊歩している、我々人類。

 

その中に、点を打ち、物質などを表現することで人々に情報を伝えることを生業とする種族が存在していた。
人々は少数民族である彼らをときには敬い、ときには畏怖しながら、長い歴史の中で接してきた。

 

 


そんな彼らはこう呼ばれる。

"点打師(ドッター)"  と―――――――――

 

 

 

 

ドッターの歴史は古く、文献によると古代のエジプト王朝にて点打ちにより多くの神々を表現していたドッターもいたとされる。

しかしその詳細は不明である。


その後もイギリスでの産業革命の際には民衆に機械の説明をするためにドッターが暗躍していた、中国の共産党躍進の影ではドッターの働きがあった、イルミナティのトップはドッターである、などの噂がまことしやかに囁かれているのはごくごく一部の界隈では有名な話だ。

しかしやはりその詳細は不明である。

 

 

 

 

さて、歴史的にも極めて重要な立ち位置であったと思われるドッターであるが、この"点を並べて絵などを表現する"という独特の技法ゆえに、人類が進化していく中でドッターの種類も大きく2種類に分かれることとなった。

 

 

 

絵画の技術はさして持っていないが、"点を並べていくだけで表現ができる"という点に着目し、ドッターの道へと誘われた者たちがいた。
彼らは自らに力を与えてくれたドッターの技術に感謝し、時には狂信的にすらなる。
日々の営みの合間を縫って、ただただ点を打つ作業に没頭するのである。
そして周りの人間達に「ドット絵楽しいよ!やろうよ!」と、布教活動を続けているのである。

 

彼らは、いつしか"闇のドッター"と呼ばれるようになった。

 

 

 

他方、絵画の技術を備えた上で、敢えてドッターの技術を利用し、新たな表現を自己に取り入れようとしている者たちもいた。
彼らはいわゆる"イラスト"の質が高く、ドッターの力を用いずとも、十分に映えるイラストが書ける力量を持っている。
それゆえ「今回はドット絵で書きました~」などのコメントとともに投下されるドット絵は総じて完成度が高く、
闇のドッター達の多くは「すげえっす」「尊い………」「これヤバくないですか!?」などの断末魔を残しながら塵と化していくのである。

 

彼らは、いつしか”光のドッター”と呼ばれるようになった。

 

 

 

闇のドッターは光のドッターの才覚の前に深い傷を負いつつも、新たな同士を求めて今日もどこかで「ドット絵たのしいよ!」と叫び続けているのだ。


しかし闇のドッターは光のドッターの事を敵視しているわけでは決してない。

闇のドッターは心のどこかで、光のドッターによる神絵を心待ちにしているのだ。
たとえそれが、ドット絵ではない画法であったとしても。

 

 


ドッターは世界中で我々の生活に紛れ、ひっそりと暮らしている。

 

貴方の住んでいる街にも、
そして貴方のすぐそばにも、
闇のドッターが潜んでいるかもしれない―――――――――